この記事は2024年4月15日にメールマガジンVol. 13として配信されたものです。
初回投稿日: 2024年7月16日
最終更新日: 2026年7月22日
近年、「今年の夏は観測史上最高気温」「猛暑日が過去最多」といったニュースを目にする機会が増えました。
「昔より暑くなった」と感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身、趣味でスキーをしていますが、近年は雪不足で山肌が見えるゲレンデが増え、気候の変化を肌で感じる場面が多くなりました。
では実際に、100年前と比べて気温はどのくらい変化しているのでしょうか。
今回は気象庁の観測データをもとに、気温の変化と私たちの暮らしへの影響について考えてみます。

東京の気温は100年前と比べてどう変わった?
気象庁の観測データによると、東京では1923年8月の平均気温は27.2℃でした。
一方、2023年8月の平均気温は29.2℃です。
つまり、東京では100年前と比較して平均気温がおよそ2℃上昇していることが分かります。
「2℃だけ?」と思われるかもしれませんが、実際に私たちが暑さを強く感じる理由は、平均気温だけではありません。

猛暑日が大幅に増えている
猛暑日とは、最高気温が35℃以上の日を指します。
東京では、
- 1923年8月:猛暑日9日
- 2023年8月:猛暑日27日
となり、猛暑日の数は約3倍に増えています。
平均気温は約2℃の上昇ですが、「非常に暑い日」が大幅に増えたことで、私たちは以前よりも暑さを実感しやすくなっていると考えられます。

気候変動が私たちの暮らしへ与える影響
気温の上昇は、私たちが「暑い」と感じるだけではありません。
さまざまな分野で影響が現れ始めています。
森林への影響
世界各地では、大規模な森林火災が発生しています。
森林火災は、落雷や人為的な要因など複数の原因によって発生しますが、気温上昇や乾燥した気候が火災の拡大を助長する要因の一つと考えられています。
世界資源研究所(WRI)によると、2021年は大規模な森林火災が世界各地で発生し、広大な森林が焼失しました。
森林は二酸化炭素を吸収する重要な役割を担っているため、その減少は気候変動にも影響を及ぼす可能性があります。

農業への影響
農業も気温上昇の影響を受けています。
猛暑日が続くことで、
- 高温障害
- 水不足
- 生育不良
などが発生し、収穫量や品質へ影響を与える場合があります。
一方で、高温を好む作物もあるため、すべての農作物に同じ影響が出るわけではありません。
しかし、これまでと同じ栽培方法では対応が難しくなり、新しい品種や栽培方法への対応が求められています。
海への影響
海水温の上昇もさまざまな変化をもたらしています。
近年では、「今まで獲れなかった魚が増えた」「これまで多く獲れていた魚が減った」といったニュースを耳にする機会が増えました。
これは海水温の変化によって魚の生息域が変わることも一因と考えられています。
水産資源の管理や漁業のあり方も、気候変動への適応が求められる時代になっています。
気候変動への対応は一つの方法では解決できない
気候変動への対策として、世界では二酸化炭素の排出削減に向けた取り組みが進められています。
一方で、私たちの日常生活の中では、その効果をすぐに実感することは難しいかもしれません。
しかし、気候変動は長い年月をかけて進行する問題であり、その対策も継続的な取り組みが必要です。
リサイクル、省資源設計、再生可能エネルギー、バイオマスプラスチックなど、それぞれの技術や取り組みを組み合わせながら、環境負荷を少しずつ低減していくことが重要になります。
まとめ
100年前と比較すると、東京の平均気温は約2℃上昇しています。
それ以上に大きな変化は、猛暑日の増加です。
私たちが「昔より暑くなった」と感じる背景には、このような極端な暑さの日が増えていることがあります。
気候変動は森林や農業、水産業など、私たちの暮らしのさまざまな場面に影響を与えています。
だからこそ、一つの素材や技術だけに頼るのではなく、用途に応じて最適な方法を選びながら、持続可能な社会を目指していくことが大切です。
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