今回の表紙の一枚は、バイオマスABSによるヘッドフォンドライバーです。
使用されているのは、我々VASUジャパンが誇るバイオマスプラスチック、VS-60-2-B2です。この素材は、射出成形に最適化されたコンパウンドレジンであり、環境に優しい選択肢として注目を集めています。
ヘッドフォンドライバーという小さな部品にさえ、バイオマスプラスチックは活用可能です。さらに、ヘッドフォンドライバーだけに留まりません。
電子機器のケースなど、さまざまな製品に応用が可能です。その多様な活用方法により、環境負荷を減らしながらも高品質な製品を提供可能です。
私たちVASUジャパンは、持続可能な未来を築くために日々努力を重ねています。
バイオマスプラスチック、VS-60-2-B2は、その象徴とも言える存在です。私たちの製品が、皆さんの日常に少しでも豊かな彩りを添えることができれば幸いです。
皆さん、突然ですが、牡蠣はお好きですか?
海の宝石とも言えるこの貝には、さまざまな食べ方があります。生牡蠣の滑らかな舌触り、焼き牡蠣の香ばしい香り、蒸し牡蠣のジューシーな味わい、そしてカキフライのサクサクとした食感と、どれも一度食べれば忘れられない魅力を持っています。
私自身、生牡蠣が大好きです。岡山県出身の私は、地元の日生や邑久町で、これまで何度も新鮮で美味しい牡蠣を楽しんできました。その豊かな風味と海の恵みが感じられる味わいは、私にとって特別な思い出です。
さて、今回のテーマは「牡蠣」です。なぜ急に牡蠣の話を始めたのか、疑問に思われるかもしれません。それには理由があります。私たちVASUジャパンでは、牡蠣殻をバイオプラスチックの原料として活用しているのです。これについて少し掘り下げてお話ししたいと思います。
牡蠣殻はただの廃棄物ではありません。その中には私たちがまだ見ぬ可能性が詰まっています。環境に優しい素材としてのバイオプラスチックは、持続可能な未来を築くための鍵となります。そして、その原料として牡蠣殻を利用することは、海の恵みを余すところなく活用する一つの方法です。
皆さんにとっても、私たちの取り組みが少しでも身近に感じられれば嬉しいです。次回の食事で牡蠣を楽しむ際には、その殻が新しい形で生まれ変わることを思い浮かべてみてください。
牡蠣の歴史
牡蠣の歴史は驚くほど古く、なんと16万年前に南アフリカで牡蠣を食べていた痕跡が発見されています。日本人として、牡蠣の消費が日本で最も多いと思いがちですが、南アフリカでも古くから愛されていたことは驚きです。
日本でも縄文時代から牡蠣が食されており、人類は長きにわたって牡蠣を愛してきました。さらに、牡蠣の養殖は1600年代に始まり、現在では世界中で消費される牡蠣の85%が養殖によるものです。
日本でも養殖が主流で、天然の牡蠣は少量で高級品として扱われることが多いです。このように、牡蠣は世界中で愛され続けてきた食材です。
どんな国で食べられている?
どんな地域で牡蠣が食べられているのでしょうか?
牡蠣は、世界中の食卓で愛されている海の恵みです。ここで、各地での楽しみ方を少し探ってみましょう。
日本
まず我々の故郷、日本では、牡蠣は新鮮なまま生で食べることが一般的です。その滑らかな舌触りと海の風味は、一度味わえば忘れられない美味しさです。また、焼き牡蠣やカキフライとしても楽しまれており、牡蠣料理のバリエーションが豊富です。
フランス
次にフランス。美食の国フランスでは、牡蠣は高級食材としても知られ、生牡蠣はもちろん、クリーミーなグラタンや焼き牡蠣も人気です。特に、クリスマスや年末年始の祝宴には欠かせない一品です。
アメリカ
アメリカでも牡蠣は広く愛されています。生牡蠣はもちろん、クラムチャウダーのようなシチューに加えられることも多く、その旨味が料理全体に深みを与えます。西海岸や南部の沿岸地域では、牡蠣フェスティバルが開催され、多くの人々が新鮮な牡蠣を楽しみます。
カナダ
カナダでは、生牡蠣の人気が高く、特に東海岸のプリンスエドワード島などは牡蠣の産地として有名です。また、寒い季節にはグリルで温めて楽しむのも一般的で、その香ばしさは格別です。
中国
そしてお隣、中国。ここでは、牡蠣は生で食べるだけでなく、炒め物やスープなど、さまざまな料理法で楽しむことができます。特に、四川料理の一部として、辛みと合わさった牡蠣料理は一度食べたら忘れられない味わいです。
さて、どの国が最も多く牡蠣を消費しているのでしょうか?意外なことに、最大の牡蠣消費国は日本ではなく中国です。実に日本の約30倍もの量を消費しています。この驚異的な数字は、中国の巨大な人口によるものもありますが、それでも驚きを禁じ得ません。
牡蠣の殻ってどうなっている?
牡蠣の殻って一体どうなっているのでしょうか?家庭で牡蠣を楽しむ際、殻付きの牡蠣を食べる機会は少ないかもしれませんが、その処理について少し掘り下げてみましょう。
例えば、東京都千代田区では、家庭から出る牡蠣の殻は可燃ゴミとして捨てることが許可されています。意外とシンプルですね。
しかし、これが養殖業者の場合になると話は一変します。
養殖場では、膨大な量の牡蠣殻が日々発生します。これらは集積場に運ばれ、その後、粉砕されて新たな用途に生まれ変わります。例えば、粉砕された牡蠣殻は家畜の餌や農業用の肥料として活用されます。
このプロセスは、資源の無駄を減らし、環境に配慮したアップサイクルの一例です。牡蠣殻が、新たな命を育む栄養源となる姿は、まさに自然の循環を感じさせます。
しかし、すべてが順調にアップサイクルされるわけではありません。アップサイクルの準備が整っていない場合、残念ながらこれらの牡蠣殻は焼却処分されてしまいます。
そして、焼却には多大なコストがかかります。驚くべきことに、その費用は数百万円にも及びます。この現実は、持続可能な資源管理の重要性を強く実感させます。
牡蠣殻が単なる廃棄物ではなく、再生資源としての価値を持つこと。そして、その活用には技術とインフラが必要であること。私たちが普段何気なく楽しんでいる牡蠣の裏側には、こうした見えない努力と工夫が詰まっているのです。
他のアップサイクルの方法は?
牡蠣殻、その内側にはどんな秘密が隠されているのでしょうか?実は、牡蠣殻の大部分は炭酸カルシウムで構成されています。この炭酸カルシウムは、多くの役割を果たす貴重な資源なのです。
アップサイクルの一例として、農業用の肥料があります。炭酸カルシウムは、酸性土壌を中和する効果を持ち、作物の成長を促進します。これにより、豊かな収穫をもたらすための土壌改良材として、牡蠣殻は重要な役割を果たしています。
我々VASUジャパンでは、この牡蠣殻の特性を最大限に活用しています。
ABSやHIPS、PCなどのプラスチックに、牡蠣殻を高い分散性でコンパウンドすることで、環境に優しいバイオプラスチックを生み出しています。この技術により、牡蠣殻は廃棄物から新たな価値ある素材へと生まれ変わります。
さらに、牡蠣殻は日本有機資源協会に再生可能資源として認められており、バイオマスマークの取得も可能です。これは、我々の取り組みが持続可能なアップサイクルの一環であることを証明しています。バイオマスマークは、消費者に対して環境に配慮した製品であることを示し、安心して使用していただける証でもあります。
牡蠣殻という一見平凡な廃棄物が、自然界における大きな役割を担い、新しい形で活用されること。それは、我々の技術と創意工夫の結晶です。自然の恵みを大切にしながら、持続可能な未来を築くための一歩一歩が、こうした取り組みによって形作られているのです。
VASUジャパンが提供するバイオマスABSのバイオマスマーク紹介ページ
最後に
私たちVASUジャパンは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、積極的に取り組んでいます。その一環としてご提案しているのが、生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックです。これらの先進的な素材は、環境負荷を大幅に削減し、持続可能な社会を実現するための鍵となります。
私たちの強みは、豊富な試作成形の実績に裏打ちされた確かな技術力です。これまで数多くの試作品を手がけ、その一つ一つが確かな品質と信頼を得てきました。
さらに、少量25kgからの試作用樹脂のご提供も可能です。これにより、皆さまのSDGsへの取り組みをスモールスタートからサポートし、段階的に規模を拡大することができます。私たちは、未来を見据えた素材開発に全力を注ぎ、環境への影響を最小限に抑えることを目指しています。これからも、皆さまと共に持続可能な未来を築くため、革新的なソリューションを提供し続けます。
VASUジャパンと共に、SDGsの取り組みをスモールスタートから始め、大きな成果へと繋げていきましょう。皆さまの挑戦を、私たちは全力でサポートいたします。共に歩む未来への道のりを、今ここから始めていきましょう。