技術コラム

射出成形用バイオマスプラスチックとは?特徴・用途・導入のポイントを解説

この記事は2025年4月15日にメールマガジンVol. 25として配信されたものです。
初回投稿日: 2025年7月16日
最終更新日: 2026年7月29日

近年、環境配慮への関心が高まる中、さまざまな分野でバイオマスプラスチックの採用が進んでいます。
レジ袋やフィルムなどでは身近な存在になりつつありますが、射出成形用バイオマスプラスチックを活用すれば、日用品や家電製品、工業製品など幅広い成形品へ展開することが可能です。
この記事では、射出成形用バイオマスプラスチックの基本から活用事例、導入時のポイント、そして今後の市場動向まで分かりやすく解説します。

バイオマスプラスチックとは

バイオマスプラスチックとは、植物などの再生可能な生物由来資源を原料の一部または全部に使用したプラスチックです。
従来の石油由来プラスチックと比較すると、化石資源への依存を減らせることから、環境配慮型材料として注目されています。
バイオマスプラスチックというと「CO2削減」が注目されがちですが、重要なのは再生可能な資源を活用できることです。
限りある化石資源だけに依存するのではなく、持続的に利用できる資源を活用することは、将来にわたってものづくりを続けるための重要な考え方と言えます。
また、射出成形用に設計された材料であれば、既存の成形設備を活用できるケースも多く、新たな設備投資を抑えながら導入できる可能性があります。

カーボンニュートラルやSDGsへの貢献

植物は成長過程でCO2を吸収します。
そのため、植物由来原料を使用したバイオマスプラスチックは、化石資源由来の原料使用量を減らす選択肢の一つとして期待されています。
ただし、「バイオマスプラスチックだから必ずCO2排出量が減る」というわけではありません。
実際には、原料調達から製造、輸送、成形、使用後の処理までを含めたライフサイクル全体で評価することが重要です。

バイオマスマークによるPR効果

一定の条件を満たした製品は、日本有機資源協会(JORA)が運営するバイオマスマークの取得を検討できます。
バイオマスマークを表示することで、再生可能な資源を使用した製品であることを分かりやすく伝えることができ、企業の環境への取り組みをアピールできます。
最近ではスーパーやコンビニなどでも、バイオマスマークが付いた商品を目にする機会が増えています。

射出成形とは

射出成形とは、加熱して溶かした樹脂を金型へ射出し、冷却して製品を成形する加工方法です。
身近なものでは、

  • リモコン
  • パソコンのキーボード
  • 家電製品の筐体
  • ケース類
  • 日用品

など、多くのプラスチック製品が射出成形によって作られています。
大量生産に適した成形方法であり、高い寸法精度や複雑な形状にも対応できることから、自動車、家電、生活用品、産業機器など幅広い分野で採用されています。
既存の射出成形設備で成形できる材料も多いため、比較的導入しやすいバイオマスプラスチックも数多く開発されています。

射出成形用バイオマスプラスチックの活用事例

射出成形用バイオマスプラスチックは、日用品から工業製品まで幅広い用途で採用されています。
環境配慮と製品性能を両立できる材料として、採用する企業も年々増えています。

容器

食品容器や保存容器、収納ケースなど、多くの容器類は射出成形で製造されています。
食品用途では、食品衛生法への適合確認なども重要なポイントになります。

日用品

歯ブラシ、ハンガー、掃除用品、キッチン用品など、私たちの生活に身近な製品にも活用されています。
環境配慮型商品として販売されるケースも多く、企業のブランド価値向上にもつながっています。

家電製品

リモコン、テレビや家電製品の筐体、各種内部部品などにも採用されています。
用途によっては耐衝撃性や耐熱性が求められるため、ABSやPCをベースにしたコンパウンドが選ばれることもあります。

環境配慮を企業価値向上につなげる

バイオマスプラスチックを採用することは、単に環境負荷を低減するだけではありません。
環境への取り組みを製品として「見える化」できるため、企業ブランドの向上や取引先からの評価につながるケースも増えています。
近年はESGやサステナビリティを重視する企業も増えており、製品に環境配慮型材料を採用すること自体が競争力の一つとなりつつあります。

VASUの射出成形用バイオマスプラスチック

VASUでは、用途や求められる性能に応じて、さまざまな射出成形用バイオマスプラスチックをご提案しています。
「環境配慮」と「成形性・物性」のバランスを重視し、お客様の製品に合わせたコンパウンド設計にも対応しています。

PP+スターチ

PPにトウモロコシ由来のスターチを配合したバイオマスプラスチックです。
石油由来樹脂の使用量を抑えながら、射出成形に適した流動性を確保しています。
カトラリーや歯ブラシ、ヘアブラシなどの成形実績があります。

ABS+シェルパウダー

ABSへ牡蠣殻由来のシェルパウダーを配合したコンパウンドです。
ABS本来の扱いやすさを活かしながら、環境配慮型材料としてご提案しています。
家電製品の筐体や各種部品などへの採用実績があります。

HIPS+シェルパウダー

HIPSをベースとしたコンパウンドです。
成形性にも優れ、ケース類や家電部品など幅広い用途へご採用いただいています。

PC+シェルパウダー

PCをベースとしたコンパウンドです。
耐衝撃性が求められる産業機器や電気機器など、高い性能が必要な用途にも対応しています。

VASUのバイオマスプラスチックの特長

これまで多くのお客様と開発を進める中で、VASUでは成形現場で求められるさまざまな課題に対応してきました。
その経験をもとに、用途に応じた材料設計をご提案しています。

幅広いベース樹脂に対応

PPだけでなく、ABS、HIPS、PCなど幅広いベース樹脂に対応しています。
用途や要求性能に応じて、最適な材料をご提案いたします。

用途に合わせたコンパウンド設計

強度、流動性、外観など、お客様のご要望に合わせて配合を調整できます。
「成形時の流れを改善したい」「外観をもう少し自然な色合いにしたい」といったご相談にも対応しています。

小ロット試作から量産まで対応

新製品開発では、いきなり量産するのではなく、まず試作品で評価したいというケースも少なくありません。
VASUでは小ロットでの試作から量産まで、一貫してサポートしています。

バイオマスマーク取得済みグレードをご用意

用途によっては、バイオマスマーク取得済みグレードをご提案できる場合があります。
製品の環境配慮を分かりやすくアピールしたい企業様にもご活用いただいています。

射出成形用バイオマスプラスチックの将来性

世界的に環境配慮への取り組みが進む中、バイオマスプラスチックへの関心は今後さらに高まることが予想されます。
日本でも、脱炭素社会の実現や資源循環の推進に向けて、環境配慮型材料の活用が進められています。
そのため、今後は価格だけではなく、製品に使用する材料そのものが企業価値を左右する時代になるかもしれません。

今後求められる材料選定

これからの材料選定では、

  • 製品性能
  • コスト
  • 成形性
  • CO2排出量
  • リサイクル性
  • バイオマス度

などを総合的に評価することが重要になります。
用途や目的に応じて最適な材料を選択することが、環境配慮と製品品質の両立につながります。

まとめ

射出成形用バイオマスプラスチックは、環境配慮と製品性能を両立できる有力な選択肢です。
日用品や家電製品、産業機器など幅広い用途で活用されており、既存の射出成形設備を利用できるケースも多くあります。
一方で、求められる性能や用途によって最適な材料は異なります。
そのため、材料選定の段階から目的に合ったコンパウンドを選ぶことが重要です。
VASUジャパンでは、PP、ABS、HIPS、PCなどをベースとした射出成形用バイオマスプラスチックをご提案しています。
25kgから試作用サンプルをご提供しておりますので、既存材料からの切り替えや新製品開発をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

バイオプラスチックをご検討ですか?

「自社製品でも使えるのか?」という段階でも構いません。
VASUジャパンでは、バイオマスプラスチック・生分解性プラスチック・コンパウンドOEMなど、用途に合わせた材料提案を行っています。

  • 試作用材料を25kgからご提供
  • 既存設備での成形を前提に相談可能
  • 強度、流動性、外観、バイオマス度などを調整可能

環境対応や素材置き換えをご検討中の企業様は、お気軽にご相談ください。

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