環境・規制情報

GHG・LCA・Scopeとは?脱炭素で使われる環境用語を分かりやすく解説

この記事は2024年10月16日にメールマガジンVol. 19として配信されたものです。
初回投稿日: 2025年1月16日
最終更新日: 2026年7月28日

近年、脱炭素や環境対応に関するニュースの中で、

  • GHG
  • Scope(スコープ)
  • LCA
  • CFP

といった言葉を目にする機会が増えました。

環境関連の業務に携わる方はもちろん、製造業や資材調達、品質保証、経営企画など、さまざまな部門で耳にする機会が多くなっています。
この記事では、それぞれの用語の意味と違いを、できるだけ分かりやすく解説します。

GHGとは?

GHGとは「Greenhouse Gas」の略で、日本語では温室効果ガスを意味します。

温室効果ガスには、地球から放出された熱を大気中にとどめ、気温を一定に保つ役割があります。この温室効果そのものは、私たちが暮らせる環境を維持するために欠かせません。

一方で、人間の活動によって温室効果ガスが増えすぎると、地球温暖化の原因になると考えられています。
温室効果ガスというと二酸化炭素(CO₂)がよく知られていますが、メタン(CH₄)や一酸化二窒素(N₂O)、フロン類などもGHGに含まれます。

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地球温暖化とは?原因と企業ができるCO2削減対策をわかりやすく解説

CO2

GHGプロトコルとは?

GHGプロトコルとは、企業が温室効果ガス排出量を算定・報告するための国際的な基準です。

企業活動の中で、どこからどれだけ温室効果ガスが排出されているのかを共通の考え方で整理できるため、多くの企業が環境情報の開示や排出量管理に活用しています。

その中で用いられている考え方が、Scope 1・Scope 2・Scope 3です。

Scope 1・2・3とは?

Scopeは、温室効果ガスの排出源を区分するための考え方です。

Scope 1

企業が自ら排出する温室効果ガスです。

例えば、

  • 工場で燃料を燃焼する
  • ボイラーを使用する
  • 社有車を運転する

など、自社が直接排出するものが該当します。

Scope 2

購入した電気や熱などの使用に伴う間接的な排出です。

例えば、射出成形機や押出機を動かすために購入した電力は、自社で発電しているわけではありませんが、その発電時には温室効果ガスが排出されています。

このような排出がScope 2です。

Scope 3

Scope 1・2以外の、サプライチェーン全体で発生する間接排出です。

例えば、

  • 原材料の製造
  • 製品の輸送
  • 従業員の出張・通勤
  • 製品の使用
  • 廃棄・リサイクル

などが含まれます。

製造業では、原材料の製造段階が大きな割合を占めるケースも多く、近年はScope 3への対応が重要視されています。

LCAとは?

LCAは「Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)」の略です。

製品やサービスについて、

  • 原材料の調達
  • 製造
  • 輸送
  • 使用
  • 廃棄・リサイクル

までのライフサイクル全体を通して環境負荷を評価する手法です。

「どの工程で環境負荷が大きいのか」を可視化できるため、材料選定や製品設計の改善にも活用されています。
例えば、原材料の製造工程で環境負荷が大きいことが分かれば、別の材料への変更を検討するきっかけになります。

カーボンニュートラルについてはこちらの記事もぜひ
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企画

CFPとの違い

LCAと似た言葉にCFP(カーボンフットプリント)があります。
どちらもライフサイクル全体を評価しますが、違いは評価対象です。

  • LCA:製品が環境へ与える影響を総合的に評価
  • CFP:ライフサイクル全体で排出される温室効果ガスに着目して評価

つまり、CFPはLCAの考え方を用いながら、温室効果ガス排出量に焦点を当てた指標と考えると分かりやすいでしょう。

製造業でなぜ重要なのか

ScopeやLCAは、単に環境報告書を作るためのものではありません。

例えば、

  • 原材料を変更する
  • 製品を軽量化する
  • 輸送方法を見直す
  • 消費電力を削減する

といった改善を行った際に、その効果を客観的に評価するための基準になります。

近年では、大企業だけでなく、サプライチェーン全体で環境負荷を把握する動きが広がっており、中小企業にも関連する場面が増えています。

成形現場

バイオマスプラスチックとの関係

バイオマスプラスチックや再生可能炭素由来の材料は、原材料由来の温室効果ガス排出量の低減を目的として採用されるケースがあります。

ただし、環境性能を評価する際は、「植物由来だから環境に良い」と判断するのではなく、ライフサイクル全体を考慮することが重要です。
LCAやCFPの考え方を活用することで、材料変更による効果をより客観的に比較・評価できます。

バイオプラスチックについてはこちらの記事もぜひご覧ください。
バイオプラスチックとは?種類・特徴・メリット・課題を分かりやすく解説【2026年版】

再生可能炭素についてはこちらのページで詳しく解説しています。
再生可能炭素が実現する経営リスク最小化のご提案

再生可能炭素はRenewable Carbon Initiativeが先進的な取り組みを進めています。

まとめ

GHG、Scope、LCA、CFPは、脱炭素や環境対応を進めるうえで欠かせない用語です。

  • GHG:温室効果ガスの総称
  • Scope 1〜3:企業活動で排出される温室効果ガスの区分
  • LCA:製品ライフサイクル全体の環境負荷を評価する手法
  • CFP:ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量を評価する指標

これらを理解することで、環境配慮型製品の開発や材料選定の考え方も分かりやすくなります。

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