不織布の製造に最適で、コストパフォーマンスに優れた、生分解性プラスチックの量産を開始
VASUジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:安藤 志郎、以下VASUジャパン)は、様々な用途で使われる不織布の成形に最適で、コストパフォーマンスに優れた、生分解性プラスチックの量産開始を発表いたします。
VASUジャパンではこの度、様々な用途で使われている不織布に、生分解性能を持たせることが可能で、コストパフォーマンスに優れた生分解性プラスチックの、量産提供を開始いたしました。
生分解性プラスチックは、主に農業や林業などで使われていますが、この度の生分解性不織布に適したバイオプラスチックは、更に様々な用途で生分解性プラスチックの導入が可能となります。
今回開発した生分解性プラスチックVS-90-2-A10の主な原料はPBATで、グループ会社のVASU Networksが特許を保有している、独自のコンパウンド技術(特許6763619)をベースとしており、安定的な高い成形成とリーズナブルなコストを実現しました。
市場では生分解性不織布はすでに流通していますが、多くの製品がPLA(ポリ乳酸)を主な原料としており、コスト面が導入のハードルとなっていましたが、VS-90-2-A10は導入のハードルを下げることを目的に開発されました。
日本国内のバイオプラスチックシェアは、圧倒的にバイオマスプラスチックが多い中、生分解性プラスチックの開発・製造を得意とするVASUグループとして、用途を限定せず、活路を広める事ができればと考えています。また、VS-90-2-A10は中国で特許出願中です。
VS-90-2-A10は、熱可塑性樹脂を原料とした不織布の一貫生産を可能にする、高効率な製造方法であるスパンボンド方式に最適です。原料樹脂を溶融し、連続的に糸を紡いでそのままシート化することで、高い生産性と優れた製品性能の両立が可能です。
スパンボンド方式で製造された不織布は、以下のような特長を備えています。
- 高強度・高耐久性: 長繊維が連続しているため、引張強度と耐摩耗性に優れています。
- 寸法安定性: 繊維配列が安定しており、変形や収縮が起きにくい構造です。
- 高い生産効率: 紡糸からシート化までを一連のラインで行うため、大量生産に適しています。
- 用途の広さ: 農業・土木・衛生・包装・自動車・家具など、多様な分野で利用されています。
芝生養生用の不織布に
サッカー場や学校から公園まで、様々な場所に芝生がありますが、目にも優しい緑色が保たれているのは、メンテナンスが適切に行われているからです。
定期的に行われる種まきなどの後は、養生中で芝生に入れない光景を目にしたことがあると思います。養生期間中は、外部からの衝撃などを避けるため、養生シートを張りますが、生分解性不織布を用いることで、使用後は最終的に無害で生分解性が可能です。

建築現場での養生に
コンクリートは様々な建築物に用いられていますが、施工後には適切な温度と湿度を保つ目的で養生が行われます。芝生の養生と同様に、生分解性不織布であれば、使用後は最終的に無害で生分解性が可能です。

防護服にも
清掃作業やペンキ塗りで使われる防護服にも不織布が使われていますが、生分解性であれば、使用後の処分の際に焼却処分が不要です。
また、イベントなどで配布される簡素なジャケットなどにも最適です。

近年SDGsの観点から、日本ではバイオマスプラスチックの導入が進みつつありますが、海外では生分解性プラスチックの導入も進みつつります。
環境省による関連情報
https://www.env.go.jp/content/900534496.pdf
今回の開発により、日本国内でも生分解性プラスチックの導入が増えることを願っています。
