この記事は2023年12月18日にメールマガジンVol. 9として配信されたものです。
初回投稿日: 2024年1月18日
最終更新日: 2026年7月15日
生分解性プラスチックは、脱炭素や資源循環への関心の高まりとともに注目されている環境配慮型素材です。しかし、「どのようなプラスチックなのか」「どのような用途で使われているのか」を詳しく知っている方はまだ多くありません。
生分解性プラスチックは、単に環境にやさしい素材というだけではなく、人手不足や廃棄コストの削減など、実用的なメリットから採用が進んでいます。
今回は、生分解性プラスチックの特徴や用途、今後普及が期待される理由について解説します。
コンテンツ
生分解性プラスチックとは?
生分解性プラスチックとは、一定の条件下で微生物の働きによって水や二酸化炭素(酸素の少ない環境ではメタンなど)へ分解されるプラスチックです。
「自然の中ですぐに消えてしまうプラスチック」ではなく、温度や湿度、微生物の種類など、適切な環境で分解するよう設計された材料です。
そのため、「生分解性だからどこへ捨ててもよい」という意味ではありません。適切な回収・処分方法を前提としながら、処分方法の選択肢を広げられることが、生分解性プラスチックの特徴です。
さらに詳しい生分解性プラスチックの解説はこちらの記事をご覧ください。
生分解性プラスチックとは?仕組み・種類・用途・メリットと課題を徹底解説
生分解性プラスチックはどのような用途で使われている?
現在、日本ではまだ普及段階ですが、欧州や中国では包装材や日用品など幅広い用途で利用が進んでいます。
その中でも代表的な用途の一つが農業用マルチシートです。
農業用マルチシートには、
- 地温の調整
- 雑草の抑制
- 土壌水分の保持
- 他の作物の種子の混入防止
などの役割があります。
従来のポリエチレン製マルチシートは、収穫後に畑から回収し、廃棄する必要があります。
一方、生分解性マルチシートは、収穫後に土壌へすき込むことで、微生物の働きによって徐々に分解されます。

生分解性プラスチックが普及する理由
生分解性プラスチックは、「環境にやさしい」という理由だけで採用されているわけではありません。
農業用マルチシートを例にすると、
- 回収作業が不要になる
- 作業時間を短縮できる
- 廃棄コストを削減できる
- 人手不足の解消につながる
といった実用的なメリットがあります。
環境性能に加え、作業効率やコスト面でのメリットがある用途では、今後さらに導入が進むと考えられます。
生分解性プラスチックとコストの関係についてはこちらの記事もおすすめです。
生分解性プラスチックは「環境」だけじゃない。コスト構造を変える素材とは?

生分解性プラスチックはどのくらいで分解する?
分解にかかる期間は、素材や使用環境によって異なります。
一般的には数か月から数年程度ですが、
- 温度
- 湿度
- 微生物の種類
- 酸素の有無
などの条件によって大きく変化します。
また、工業用コンポストのように微生物が活発に活動できる環境では、一般的な土壌よりも早く分解が進む場合があります。
つまり、生分解性プラスチックは「分解する・しない」ではなく、「どの環境で分解するよう設計されているか」が重要になります。

生分解性プラスチックは処分方法の選択肢を広げる素材
「生分解性だから自然に捨てても問題ない」と考えてしまうと、本来の目的とは異なります。
生分解性プラスチックは、焼却処分だけではなく、用途によっては土壌やコンポストで分解させるという新たな選択肢を提供できる素材です。
適切な用途と適切な処分方法を組み合わせることで、環境負荷の低減だけでなく、作業効率やコスト削減にも貢献できます。
性能や安全性を確認するため、DINやASTMなどの国際規格に基づいた試験が行われています。
TUV Rheinlandによる生分解性試験のページ
VASUジャパンの生分解性プラスチック
VASUジャパンでは、用途に応じた生分解性プラスチックを取り扱っています。
ラインナップの一例
- 農業用マルチフィルム向け材料
- ブロー成形向け生分解性樹脂
- 射出成形向け生分解性樹脂
また、お客様の要求性能や用途に合わせたコンパウンド開発やカスタマイズにも対応しています。
コンパウンドの特設ページもぜひご覧ください。
強度・流動性・外観まで設計するコンパウンドOEM
生分解性プラスチックの採用をご検討中の方や、用途に適した材料選定でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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