プラスチックには、PP(ポリプロピレン)や、PE(ポリエチレン)など、用途に応じて様々な種類がありますが、バイオマスプラスチックにも、様々な種類があります。
今回は、その中でも、バイオマスABSについて、紹介したいと思います。
目次
- 何に使われている?
- バイオマスプラスチックの種類
- ABSはどんな素材?
- ABSの用途
- バイオマス成分
- バイオマスABSの用途
- バイオマスABSの特徴
- バイオマスABSの特許
私たちの身の回りにあるバイオマスプラスチックとその種類
何に使われている?
バイオマスプラスチックは、スーパーのレジ袋、食品の容器や包装、歯ブラシやアメニティなど、私たちの身の回りの、様々な物に使われています。特に、環境省によって定められている「特定プラスチック使用製品」を筆頭に、バイオマスプラスチックの導入が進んでいます。
そもそもバイオマスプラスチックは、地球環境保護のために導入が活発になったもので、日本では2030年までに、使い捨てプラスチックを、これまでの努力も含め、累積で25%排出抑制するといった指針が定められています。
バイオマスプラスチックの種類
バイオマスプラスチックは、様々な種類が市場で流通していますが、一般的に、石油由来のプラスチックの一部に、再生可能な資源を含んだプラスチックのことを指します。ベースとなる石油由来プラスチックは、様々な種類があります。
例えば、レジ袋や食品の包装には、PE(ポリエチレン)が多く使われています。歯ブラシなどのアメニティには、PP(ポリプロピレン)や、PS(ポリスチレン)などが使われています。このように、作る物によって、それぞれ適したプラスチックの種類があります。これらPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)は、先ほどご紹介した、環境省によって定められている、特定プラスチック使用製品で多く使われています。
今回は、バイオプラスチック活用の可能性を、さらに大きく広げることが可能な、ABSをベースにしたバイオプラスチックについて、解説したいと思います。
ABSとは?
ABSはどんな素材?
ABSは、Acrylonitrile(アクリロニトリル)、Butadiene(ブタジエン)、Styrene(スチレン)の3種を原料とした樹脂で、1900年代中頃から使われています。硬くて強度があり、成形性が高く、形にすることが容易なプラスチックです。また、比較的高い耐熱性や、電気絶縁性も持ち合わせており、身の回りの様々な製品に使われています。
ABSの用途
硬くて強度があるので、衝撃が想定される用途などで、重宝されています。また、成型性が高いので、複雑な形状の物を作ることにも適しています。
- 家電製品
- 自動車の内装
- 玩具
- 電子機器
- 家電製品
- インテリア小物
バイオマスABS VS-60-2-Bの特徴
バイオマス成分
VASUジャパンがご提供する、バイオマスABS VS-60-2-Bは、石油由来のABSに、シェルパウダー(牡蠣殻)をコンパウンドしています。一般的なバイオマス成分は、スターチやセルロースなどが使われることが多いですが、色目が安定しており、ABSの特性を最大限に活かすため、シェルパウダーを用いています。
シェルパウダーを活用することは、バイオマスABSの製造はもちろん、食用として加工され、行き場を失った牡蠣殻のアップサイクルとしても、地球環境に貢献しています。
バイオマスABSの用途
石油由来のABSと同じく、様々な用途で使うことが可能です。バイオマスABSはシェルパウダーをコンパウンドしていますので、石油由来ABSと全く同じ物性ではありません。強度や耐久性の面で、石油由来のABSに劣る場合があります。試作用にサンプル樹脂をご提供しているので、必要とされる物性を満たしているか、実際にお試しいただけます。
バイオマスABSの特徴
バイオマスABSは、ベースが石油由来のABSであることに強みがあります。石油由来のABSが持っている、強度、成型性といった特徴を活かしつつ、地球環境に貢献できるバイオマスプラスチックです。着色することも可能ですので、様々な用途でご活用いただけます。
バイオマスABSの特許
VASUジャパンが提供する、バイオマスABS VS-60-2-Bは、特許技術に基づいて製造されています。この特許技術は、コンパウンドにおける課題を解決するために研究されたものです。バイオマスABS以外にも、生分解性プラスチックに関する特許も取得しており、高い技術力で、安心してお使いいただけるバイオプラスチックをご提供しています。
バイオマスABSの評価を申し込む
VASUジャパンでは、小規模なスモールスタートといった、いわゆるお試しを強力にサポートいたします。試作用の樹脂は25kgからご提供可能。試作結果に応じて、成形条件を含め、技術サポートもさせていただきます。
また、「こういう物性が欲しい」「この物性を少し高めたい」など、カスタマイズのご相談も、可能な限りご対応しています。