技術コラム

生分解性プラスチックとは?仕組みや用途をわかりやすく解説【メールマガジンVol.2】

今回の表紙の一枚は、三和歯ブラシ工業所による、歯ブラシの写真です。

ホテルなどの宿泊施設はもちろん、一般家庭でもごく当たり前に使われている歯ブラシ。世界中で年間30億本以上が廃棄されているというデータもあります。三和歯ブラシ工業所では、バイオマス度が50%のバイオマスプラスチック、VS-60-2-J1+を使い、CO2削減に貢献できる歯ブラシを、既存の成形設備で製造しています。

バイオプラスチック製歯ブラシのイメージ

生分解性プラスチックとは?

前回はバイオマスプラスチックの話題を取り上げましたが、今回は生分解性プラスチックについての話題です。

生分解性プラスチックとは、文字通り分解するプラスチックのことを指します。石油由来のプラスチックも、何百年もの期間を経ることで最終的には分解すると言われていますが、生分解性プラスチックは、早ければ数ヶ月で分解可能な素材です。

生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックは混同されがちですが、両者は異なる概念です。バイオマスプラスチックは原料の由来に着目した考え方であり、生分解性プラスチックは使用後の分解性に着目した考え方です。

そのため、バイオマスプラスチックでも分解しないもの、生分解性プラスチックでも石油由来のものが存在します。

生分解のプロセス

自然環境下やコンポスト設備(堆肥化設備)の中で、微生物の力によって分解され、最終的には水とCO2となり、姿形は全く無くなります。ここで留意しておかなければならないのは、焼却処分であっても生分解であっても、同量のCO2が発生する点です。

生分解はイメージ的にCO2の排出量が少ない印象がありますが、焼却でも生分解でも処分の対象となる物が保持している炭素が酸素と結びつくことに変わりはありません。

ただし、CO2が一気に大気中に放出される焼却処分と比較すると、生分解の場合は土壌での分解プロセスに一定の時間を要しますのでCO2放出の時間軸が異なります。

生分解性プラスチックの製造に用いられる素材は、バイオマス由来のものばかりではなく、石油由来のものもありますが、分解時に自然に悪影響を与えることなく、無害で分解されるかがポイントです。

ただし、生分解性プラスチックはどのような環境でも短期間で分解するわけではありません。温度や湿度、微生物の存在などによって分解速度は大きく異なります。

なぜ生分解性が必要とされるのか?

近年日本では、バイオマスプラスチックの導入が加速していますが、海外では生分解性プラスチックがトレンドとなっている国が多くあります。

その理由は様々ですが、例えば国土が日本の何倍もあり、人口が多い国では、1日に廃棄されるゴミの量も莫大なものとなりますので、それらのゴミを受け入れるためのごみ処理施設の運用が難しく、最終的に自然に無害で分解する、生分解性プラスチックがその力を発揮すると考えられています。

ごみ収集のイメージ

生分解性プラスチックの活用事例

ゴミ処理の観点以外にも、分解することが付加価値となるケースもあります。皆さんは農業で使用されるマルチフィルムをご存じでしょうか?

畑に目をやると、黒色や白色のフィルムが土に覆いかぶさっているのを見たことがあると思います。
このフィルムのことをマルチフィルムと呼び、土壌の温度を保ったり、外部からの種子の飛来を防ぐ目的で使用されています。

栽培している作物の収穫を終えるとマルチフィルムはゴミとなり廃棄の必要がありますが、生分解性マルチフィルムは、そのまま土にすき込むことで、分解させることが可能なため、ゴミを処理する労力の軽減となります。

環境配慮の側面ばかりに目が行きがちですが、プロセス改善の意味においても、生分解性プラスチックは活用の価値があります。

まとめ

VASUジャパンでは、様々な成形方法に対応した、生分解性プラスチックをラインナップしており、既存の成形設備をそのまま使用可能。試作用樹脂は少量25kgからご提供しています。

「企業として環境対応を始めたいけど、何から始めたら良いか分からない」とお困りの方は、コンタクトフォームから是非お気軽にお問合せ下さい。試作事例など交え、ご紹介させて頂きます。

VASUジャパンの生分解性プラスチックは、世界的な試験期間のTUVで生分解性試験を実施済みです。
https://www.tuv.com/japan/jp/biodegradability-testing.html