この記事は2024年1月16日にメールマガジンVol. 10として配信されたものです。
海洋プラスチック問題は、近年ニュースやテレビで取り上げられる機会が増え、「マイクロプラスチック」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
一方で、「プラスチックそのものが悪い」という印象を持たれることもありますが、実際には少し違います。
現在の課題は、プラスチックという素材ではなく、「適切に回収・処理されず自然環境へ流出してしまうこと」にあります。
今回は、海洋プラスチック問題の背景やマイクロプラスチックとの関係、そして今後求められる対策について解説します。
海洋プラスチック問題とは?
私たちの生活は、プラスチックなしでは成り立たないと言っても過言ではありません。
食品包装、医療機器、自動車、家電製品など、あらゆる分野でプラスチックが活用されています。
一方で、使い捨て容器や包装材など、一度使用すると廃棄される製品も数多く存在します。
これらが適切に回収・処理されず河川や海へ流出すると、海洋プラスチックごみとなり、世界的な環境問題につながります。

マイクロプラスチックとは?
海へ流出したプラスチックは、紫外線や波の力によって徐々に細かく砕かれます。
このように5mm以下になったプラスチック片は、一般的にマイクロプラスチックと呼ばれています。
また、タイヤの摩耗や衣類の化学繊維などから発生する微細なプラスチック粒子も、河川を通じて海へ流入すると考えられています。
マイクロプラスチックは非常に小さいため、海洋生物が餌と間違えて取り込んでしまう可能性があり、生態系への影響が懸念されています。
海洋生態系への影響
海洋プラスチックは、魚類や海鳥、ウミガメなどさまざまな生物へ影響を及ぼすことが報告されています。
例えば、
- プラスチックを誤飲する
- 漁網などに絡まる
- マイクロプラスチックを摂取する
といった事例があります。
また、マイクロプラスチックや、それに吸着した化学物質が食物連鎖を通じて人間へどのような影響を及ぼすかについては、現在も研究が進められている段階です。
現時点では、人体への影響について確定的な結論が出ているわけではありませんが、継続的な調査が行われています。

解決策は「プラスチックをなくすこと」ではない
海洋プラスチック問題を考えると、「プラスチックを使わなければよい」と思われることがあります。
しかし、医療、食品、物流など、私たちの生活にはプラスチックが欠かせない分野が数多くあります。
そのため、重要なのはプラスチックをなくすことではなく、
- 必要な用途では適切に使う
- リサイクルできるものはリサイクルする
- 適切に回収・処理する
- 用途によっては環境配慮型素材を活用する
というように、用途に応じて最適な方法を選択することです。
生分解性プラスチックという選択肢
用途によっては、生分解性プラスチックも環境負荷低減の選択肢の一つになります。
例えば、農業用マルチシートのように回収に手間がかかる用途では、生分解性プラスチックを利用することで、回収作業の省力化と環境負荷低減の両立が期待されています。
ただし、生分解性プラスチックも「どこへ捨てても自然に分解する素材」ではありません。
用途に応じた適切な処分方法を前提として使用することが重要です。

まとめ
海洋プラスチック問題は、プラスチックという素材そのものではなく、不適切な廃棄や環境への流出によって引き起こされる問題です。
今後は、
- リサイクルの推進
- 回収システムの整備
- 環境配慮型素材の活用
- 一人ひとりの適切な分別・廃棄
などを組み合わせながら、用途に応じた最適な対策を進めていくことが重要になります。
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