技術コラム

ナフサとは?石油からプラスチックになるまでをわかりやすく解説石油危機とバイオプラスチックの関係

この記事は2026年9月19日にメールマガジンVol. 40として配信されたものです。

今年の4月ごろから、「ナフサ価格の高騰」や「石油危機」といったニュースをよく目にします。 一般的にナフサという言葉は聞きなれないものですが、私たちの生活に非常に深く関係しています。

本記事では、石油がどのようにしてプラスチック製品になるのかを、ナフサを中心にわかりやすく解説します。 さらに、石油依存からの脱却手段として注目されるバイオプラスチックとの関係についても解説します。

ナフサとは何か?簡単にわかりやすく解説

ナフサとは、原油を精製する過程で得られる物質のことです。一般的にプラスチックと言えば「石油」をイメージしがちですが、実はナフサは石油から得られる物質の一つに過ぎません。 主に以下の特徴があります。

  • 気化しやすい
  • 分解しやすい
  • 化学原料として優れている

このためナフサは燃料というよりも、プラスチックや化学製品の原料として使われる重要な中間的素材です。

JOGMEC:ナフサの定義と主な用途

化学のイメージ

石油からプラスチックになるまでの流れ

先ほどの説明の通り、プラスチックは石油から直接作られるわけではありません。 いくつかの工程を経て、最終的にプラスチックとなります。

石油(原油)の採掘

石油は地下に蓄積された化石資源です。油田から採掘され、「原油」として地上に取り出されます。

石油の成り立ちとプラスチックとの関係については、こちらの記事もご覧ください。
石油とは?プラスチックとの関係やバイオマスプラスチックとの違いを解説

原油の精製(ナフサの取り出し)

原油には様々な成分が混ざっているため、「蒸留」によって成分ごとに分離します。主な生成物は以下の通りです。

  • LPG
  • ガソリン
  • 灯油
  • 軽油
  • 重油
  • ナフサ(プラスチック原料)

ここで得られるナフサが、化学産業でいうところの出発点となります。

石油連盟:原油の蒸留と精製工程

ナフサの分解

上記で分離されたナフサですが、さらに高温で分解され、以下のような基礎化学品になります。

  • エチレン
  • プロピレン
  • ブタジエン

これらは「オレフィン」と呼ばれ、プラスチックの元となる重要な素材です。「エチレン」や「プロピレン」は耳にしたことがある方も多いと思います。

石油化学工業協会:ナフサから基礎化学品ができる仕組み

重合によるプラスチック樹脂化

分解された成分は「重合」という化学反応によって、長い分子(ポリマー)となります。以下の様な代表例があります。

  • エチレン > ポリエチレン(PE)
  • プロピレン > ポリプロピレン(PP)

この状態で「樹脂ペレット(粒)」として供給されます。

石油化学工業協会:エチレンなどから樹脂をつくる工程

成形加工で製品へ

最後に、樹脂を加工して様々な製品になります。主な加工方法は以下の通りです。

  • 射出成形
  • 押出成形
  • ブロー成形

実に多くのこれらの工程を経ることで、私たちの生活に欠かせない包装材や部品、日用品などのプラスチック製品が完成します。

射出・押出・ブローなどの成形方法については、こちらの記事もご覧ください。
バイオプラスチックの成形方法とは?射出・押出・ブロー・真空成形をわかりやすく解説

プラスチック容器

なぜ石油危機でナフサが注目されるのか

ここまでの説明の通り、プラスチックの原料は、ほぼすべてナフサに依存しています。 そのため、以下のような構造になっています。

  1. 原油価格が上昇
  2. ナフサ価格が上昇
  3. 樹脂価格が上昇
  4. 製品コストが上昇

つまり、石油供給の不安定化は、製造業全体のコストと供給に直結する問題です。そしてそれら製造された商品を利用する消費者にも直結します。

バイオプラスチックは石油危機対策になるのか

バイオプラスチックには、以下の特徴があります。
バイオプラスチックの種類と特徴については、こちらの記事もご覧ください。
バイオプラスチックとは?種類・特徴・メリット・課題を分かりやすく解説【2026年版】

環境省:バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの違い

メリット

  • 全てを石油に依存していない
  • 再生可能な資源を活用
  • 脱炭素(CO2削減)に貢献

課題

  • コストが高い場合がある
  • 性能(耐熱性・強度)に制約がある場合がある

石油とバイオの併用が今後の鍵

現時点では、すべてをバイオプラスチックに置き換えるのは現実的ではありません。将来的にも全てをバイオプラスチックに置き換えることが最適解にはならないと思います。 しかし、

  • 石油由来プラスチック
  • バイオプラスチック

を適材適所で使い分けることで、

  • 原料リスクの分散
  • 価格変動の緩和
  • 環境対応

が可能になります。

そうです、バイオプラスチックを積極的に活用することは、環境保全の意味合いもありますが、ビジネス的視点で考察すると、サプライチェーン全体のリスクヘッジとなります。

サプライチェーンのリスクヘッジについては、こちらのページもご覧ください。
再生可能炭素が実現する経営リスク最小化のご提案

バイオマスプラスチックの原料と製造工程については、こちらの記事もご覧ください。
バイオマスプラスチックはどう作られる?原料からコンパウンド・ペレット化まで解説

樹木のイメージ

まとめ|ナフサを理解するとプラスチックの未来が見える

ナフサは、石油からプラスチックを生み出す中核的な原料です。 そして、現在の石油危機は、その構造的な依存関係を浮き彫りにしています。 今後は、

  • ナフサの安定供給
  • バイオプラスチックの活用

この両軸で考えることが、 持続可能なものづくりにおいて重要になります。

VASUジャパンでは、バイオマスプラスチックの導入を積極的にサポートしています。少量25 kgからサンプルをご提供が可能ですので、ご興味のある方はぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。

バイオプラスチックをご検討ですか?

「自社製品でも使えるのか?」という段階でも構いません。
VASUジャパンでは、バイオマスプラスチック・生分解性プラスチック・コンパウンドOEMなど、用途に合わせた材料提案を行っています。

  • 試作用材料を25kgからご提供
  • 既存設備での成形を前提に相談可能
  • 強度、流動性、外観、バイオマス度などを調整可能

環境対応や素材置き換えをご検討中の企業様は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら